いわゆる「むちうち」としてひとくくりにされていますが,その発生原因によって治療方法も異なります(原因については,患部周辺の筋肉や靭帯の炎症に留まるものから,神経根が圧迫されているもの,交感神経の損傷によって自立神経失調症状が生じているもの(バレ・リュー症候群),等様々です。)。 何ヶ月も治療していてもまったく改善しなかった症状が,バレ・リュー症候群であることが判明してペインクリニックに通ったところ劇的に改善した,という例も存在します。適切な治療方法を検討するためにも,自己判断に頼らず,まずは整形外科に通ってきちんとした検査・診断を受けることが必要です。 そのうえで,通院の便宜や相性により,医師の方の指示に従って整形外科と接骨院を適切に使い分けることが有用です。
適切な治療を受けるため,また,残念ながら症状が残ってしまって後遺障害の認定を受ける際のために,現在の症状をきちんと伝えておくことが必要です。 患部周辺の痛みだけでなく,手足のしびれがないか,脱力感や感覚がにぶっている等の異常,めまい等がないかについてきちんと伝えるようにしてください(一方で,大げさに伝えることは,医師の方の判断を誤らせてしまったり,検査結果との矛盾を生じることになりますので,ありのままを伝えるようにしましょう。)。
症状に応じて,レントゲンだけではなくMRIの撮影をすることや他の検査を行うことによって原因をより明確にすることができる場合もあります(特に,ヘルニアや脊椎の変性等については,レントゲンでは確認困難で,MRIにより撮影する必要があります。)。よく相談して適切な検査を行うことが,治療や後の後遺障害の認定において重要となります。